『クラシカロイド』第23話(第2シリーズ) 待ち人来たりて城が建つ 感想
※2018/10/04 画像を削除しました。
泣いても笑っても、クライマックスシリーズです。ワーグナーが待ち焦がれていた「父さん」とついにご対面!?でも、もう一波乱がある?「城」とは一体?やきもきしても始まらない!では本題に入ります。
第23話(第2シリーズ) 待ち人来たりて城が建つ (2018/03/10 放送)
あらすじは公式サイトでご確認下さい。
♪感想(レビュー)
ありがとう『クラシカロイド』!ここまで観てきて本当によかった。ストーリー展開もキャラの動かし方も絵ももちろんムジークも、今回は完全に物語の世界に引き込まれました。25分間があっという間。主軸となるテーマは重いけれど、それぞれのキャラは「らしい」ふるまいをしてくれたし、ヒロインの成長と変身もうれしい。そしてちょこちょこ笑えるネタあり、こっそりラブ要素もありで、思いっきり楽しませて頂きました。私はもしかしてシリアスが嫌いなのではなく、キャラ達の不自然な動きが苦手なだけなのかも。個人的に『クラシカロイド』には思い入れが強すぎて、つい要求が過剰になってしまうのは自覚しています。でもそんな私をここまで夢中にさせてくれるのだから、やっぱり『クラシカロイド』はやめられない!回によって振り幅大きくて申し訳ありませんが、個人的に今回はテンション爆上がりの回でした。
まずはワー君が抱きしめてもらえてよかった。でもここで終わらせず、親子関係のきれいごとではない部分にまで踏み込んだわけですね。コメディ作品なのにここまでシリアス展開にしなくても…との考えはもちろんあると思います。しかし私個人としては、物語の描き方が秀逸だったので好印象です。ワー君はムジークが出せないのを「出来損ない」と言われたと思ったからこそ、ムジークにこだわった。そしてムジークを操れるようになれば当然父さんにも認めてもらえると信じていた。ところが父さんはムジークをたいしたことじゃないと考えているフシがあり、あろうことか自分がムジークを出せない原因を作った人だったという。もちろん響吾さんは良かれと思ってやったことだし、ワー君がそこまでこだわっている問題とは知らないから「(音楽を聞かせるのを)私が止めた」と、さらっと言ってしまったんですよね。私はワー君の絶望を思うと涙が出る一方で、響吾さんを責める気にはなれませんでした。「悪気が無かったから許せ」という話ではなく、うまく言えないのですが「親が背負う宿命」を感じたからです。長く離れて暮らしてきたことは今回の場合は問題ではありません。だって生まれてからずっと一緒に暮らす親子の間であっても、わからないことはあるのだから。親は子のすべてを理解できない以上、親が良かれと思ってやったことが時として子の意に反することもあります。また、嫌われるとわかっていても険しい道を選ばなければいけない場合だってある。そうした親の判断が結果的に子を怒らせたとき、「あなたのため!」と子を押さえ込む親は論外として、多くの親はなぜそうしたのか理由を説明して子とわかり合おうとします。それでもダメだった場合、親は子に恨まれるしかないわけです。そもそも、子供を産み育てること自体が親の勝手な都合であり、結局「子供のため」と言いながら親は自分の都合を子に押しつけている側面があるので、親は子の責めを引き受ける立場にあるわけで。つらいけれど、詰まるところ「子に恨まれる」ことが親の役目であり宿命なのでは?と個人的には感じました。子を持つ親としては、心のかなり深い部分をえぐられましたが。たいていの親は自分の子が初めての子育てなのに、直面する問題がハイレベルすぎ(苦笑)。
次回さらに掘り下げがあると思いますが、今回も触れられた「兄弟」について。歌苗ちゃんのひたむきさには痺れます!同じ親を持つ何人かの子供が、物心つく前から一緒に暮らしささいなケンカをしながら育てば、何も意識しなくても兄弟同士でいられるかもしれません。しかし歌苗ちゃんの場合は生まれてからずっと一人っ子だったわけです。それなのに突然ワー君が目の前に現れ、ある日を境にいきなり弟がいる姉になった。そして血のつながりはないことを知ってもなお、姉でいたいと思った。自分の意思で「姉」になり「弟」を想うなんて、これ以上ないくらい純度が高い愛なのでは?ワー君は「姉でも何でもない」と一度は拒絶したけれど、「姉さん」のひたむきな想いが少しでも「弟」に通じたのは救いでした。他人を拒絶する厚い心の壁さえも、「姉さん」にはカッコイイ衣装と剣まで持たせて突破口を開かせたなんて、最高!さあ次回どうなるか?ハラハラしながら待ちたいと思います。
いびつな形に変化したアルケー社に乗り込むのをためらっていたロイド達が、「歌苗ちゃんと兄弟」と意識したとたんに元気になって全員で行く流れになったのも面白かったです。ロイド達のことなので、渋っていた理由にはもちろん「面倒」という気持ちはあったとは思います。でも、歌苗ちゃんがワー君を大切な弟だと思っているのをみんな知っていたから、「家族の領域には踏み込めない」という遠慮もあったのでは?歌苗ちゃんは「ワー君と他のロイド達が兄弟」という言い方をしたのに、拡大解釈して「歌苗ちゃんと自分達は兄弟」と捉えるなんて、図々しいよロイド達(笑)。みんなワー君のことを遠巻きに見ながらも、実はワー君のことがうらやましかったのね?例外としてシューさんだけは「先輩と兄弟」なのがうれしそうだったけど。本当の「家族」になるかどうかは別として、「大家さんと家族になりたい」というロイド達の本音はほほえましい。ま、ワー君以外のロイド達に対しては、歌苗ちゃんのガードは堅そうな気はしますが。それはともかく、ロイド達はきちんと家賃を払って下さい!ワー君だって音羽館に来たばかりの時にまとめて払っているのよ?
ワーグナーは一人で頑張ってきて、心の拠り所だった父さんまで信じられなくなって、そのつらさは察するに余りあるものがあります。でもね、「とにかくワー君は人の話を聞こう」。怒りのあまり我を忘れているのはわかるけれど、響吾さんが説明しようとしても一切聞く耳持たないんだもの。今回に限らず、そもそもの発端である「ハローワールド直後に三弦の話を立ち聞きした時」だって、暴れず対話していればこんなにこじれなかったはず。でもそれだと物語は始まる前から完結してしまうので、物語を楽しませて頂いている身としてはワーグナーの我の強い性格に感謝します。伝記本を読んで(『バイロイトの長い坂道 ワーグナー物語』ひのまどか(著) 読みました)、史実ワーグナーの人物を嫌いになった私としてはみょうな気分がしますが。『クラシカロイド』の追加キャラにワーグナーを連れてきたのは大きな決断だったと思います。さらに子供設定にしながらも、我の強さや毒舌といった嫌われる性格を残したのがすごい。かわいらしい愛されキャラにしてしまう逃げ道はあったのに、です。でも私は史実ワーグナーの人物は嫌いなのに、なぜかクラシカロイドのワー君は好きなんですよ。ワー君は難しいキャラにもかかわらず、制作スタッフの皆様が物語の中で丁寧に描いてくださったからだと思います。本当にありがとうございます。もちろん、小僧ワー君をどうしても好きになれない人もいるのは理解します。
私はワーグナーの作品に詳しくないので何も解説できませんが、今回『ニーベルングの指輪』に詳しい人にはわかる設定や描写があったようですよ。私はいずれ『ニーベルングの指輪』を通しで観てからまたこの回を見直したいと思います。
以下は思ったことメモ。
- アバン。ヒメちゃんバッハちゃんは競馬場(!)。そうか、旅費を稼がないとね。アロハシャツと短パンを着て頭にはサングラスのいでたちのバッハちゃんは「こうしているうちにも、世界は脅威に…」と、焦っている様子。そうそう、音羽響吾博士を早く見つけないとね。
- バッハ「あの後ろ頭は!」あんなに探していた音羽響吾博士が目の前に!響吾さんは「オレにメシを食わせてくれー」とか言ってる。負けたみたいだし、日芽歌さんと違ってギャンブル運はないのかも。
- 日芽歌「ああ、あなた!」、響吾「あれ?きみも来てたの?」、日芽歌「探してたのよ」…何年も会ってない夫婦の再会なのに、ずいぶんあっさりだ(笑)。似たもの夫婦。
- 響吾「おおバッハも!久しぶりだねえ」こちらもあっさり。バッハ「話がある」、取り急ぎワーグナーのことよね。
- でもバッハちゃん、積もる話はあるでしょう?響吾さんはあの日、ベトとモツを連れて逃げ出したんだもの。バッハちゃんに「約束する」と言ったのに、それっきり連絡もくれなかったんだもの。落ち着いたらでいいので、あの日のことはうやむやでは終わらせず、いずれきちんと2人で話ができますように。
- Aパート。音羽館。噴水の横で振り付け練習するクラクラの2人カワイイ。ロイド達はムジーク出せないことは何とも思っていない様子。やきもきしている奏助だって「いろどりが足りないっつうか…」と、この程度の認識。
- モツ「奏助はムジークがなくなって何困ってるの?」、奏助「しゅんましぇーん、ムジーク使えたこととかないからわかりましぇーん」って、ムジークマンになるんでしょ?出せるまで頑張ろうよ奏助!
- シュー「ほらごらんなさい。そんな神楽君だってなんとかギリギリ生きているじゃありませんか」って、何気にひどい。それにしてもモツとこんなに近くに並ぶなんて。シューさん本当はモツのこと好きでしょ?
- 「ギリギリ」がこたえた奏助「ムジークなかったらオレと同じじゃん?みんなもギリギリっしょ」、気持ちは分かる。でもリッちゃんの「ポンコツと一緒にしないで。私達ムジークなくても基本的に音楽の才能あるから」に打ちのめされちゃった。誰もフォローしないんだね。
- テレビ音声にハッと顔をあげた奏助。ワーグナーがトーク番組に出てる。音羽館にいた彼が「今や世界に羽ばたこうとする大スター」になってる。奏助が何かに気付いたみたい。
- 思い立ったらすぐ行動に移す奏助。自転車かっとばしながら「やっぱ時代はWAGNERじゃね?」調子がよすぎる(byパッド君)けど、それが奏助のいいところ。
- テレビ局前の出待ち(!)の中に歌苗ちゃんがいる。何もかも把握しているワグネリアン海月に教えてもらったのね。メガネがキラーンとした海月、ワーグナーが海外ツアーに行くことを涙ながらに寂しがっている。でもこの入れ込み方、革命のお姉さんは学校休んで海外まで追っかけそうな勢い。
- 歌苗ちゃんの手には姉と弟のマスコット。手に2箇所も絆創膏貼っていて痛々しい。頑張ってお裁縫したのよね(涙)。
- 車内のワー君は父さんからのメールがないことを気にしている様子。そこに歌苗姐さんが車の窓ガラスに顔をくっつけて「ワー君!ワー君!」
- そうか。歌苗ちゃんから連絡取ろうとしても、ワー君は電話に出んわだったのね。うちに帰ってきてほしいと告げる。「みんな仲直りしたいって」は、歌苗ちゃんの願望が入っているよねきっと。
- 手作りのお守りを渡そうとしたら、やっと窓が開いた。でもワー君は「言ったよね。もう姉でも何でもないって」って、つれないことを言うなあ。
- 歌苗ちゃんは警備員に取り押さえられ、結局お守りは渡せず。それでも車を追おうとしたら転んで、お守りも取り落としたよ。切ない…。
- アルケー社。マネージャー三弦「余計なことかもしれないっすけど、実家の夕飯でも食べてきたらどうっすか?最近全然休んでないっすよね?」アーティストへの気遣いが立派。でもその髪型と服装の乱れから察するに、三弦も全然休んでないっすよね?
- ワー「余計な口をきくヒマがあるとはうらやましい限りだ。北米のPR、遅れてるぞ」と、マネージャーのせっかくの気遣いは無視っすか?ワーグナーが部屋から出たら、苛立った表情で頭をかきむしる三弦。相当ストレスたまっていそうっすね。
- アルケー社の社員用ゲートの前には「オトワーズ」を名乗る謎の男女が。どう考えても音羽家の両親。手で音符を作るやつとか、一生懸命打ち合わせしたんだろうな…。なぜかぎょうなくんの着ぐるみもいっしょ。
- 当然、警備員は警戒してる。「We are not ヘンジン!」とか言ってるけど、どう見ても変人だと思うの(失礼)。逆になぜこの姿でゲートを通してもらえると思ったのかを知りたい。
- そこをちょうど三弦亜遊夢が通り「あれは…」。すぐさま姉の三弦亜紀楽に連絡し「姉さん。あのおかたがお戻りになったっす」。よくできた弟っすね…。どうでもいいっすけど、うちの息子も別アニメでわざわざ一時停止して「諏訪部さん出るよ」と私に教えてくれるっす。よく訓練されているっす…。
- それにしても、着ぐるみで姿はまるで見えないのにバッハ様と気付くとは!三弦家はバッハ様への忠誠心がパネエっす。これは勝手な推測っすけど、おそらくバッハ様はオトワーズのコントをやりたくなくて、ギリギリのラインでぎょうなくんの着ぐるみに入ったと思われるっす。バッハ様のコントも見てみたかったっす。
- 警備員の一人がぎょうなくんのかぶり物をとったら、中にはバッハ様が!バッハ「警備ご苦労」、アロハ着ているのにすごくサマになる。警備員は動揺しながらも「バッハとその一味は通すなと命令を受けています」と職務を貫く。
- バッハ「裏から進入するべきだった」、響吾「なるべく角が立たないようにと思ったんだけどね」、日芽歌「せっかく来たのに…」。オトワーズの2人はカツラとサングラスを外す。
- 警備員の一人が日芽歌さんの肩に手をかけた!バッハ「やめ…」を言い終わる前に、光の速さで響吾さんが警備員を投げ飛ばす。っょぃ。警備員って武術の訓練は受けている人達のはずなのに、響吾さん強すぎ。日芽歌さんだって惚れ直しちゃうよね。響吾「えーもうやるしかないのか…」、腕に覚えがあるらしい。
- 「お待ち申し上げておりました」の声のほうを向くと、ビシッと黒スーツを着こなした三弦亜紀楽さん!やっぱりバッハ様の前では適当な格好はできないっすね?
- 三弦「カムヒア!」のかけ声で出てきたのはバッハ型ミツルロイド!?しかもたくさん!ミツルロイド改はバッハ以外のロイド達を1体ずつだったから、三弦は寝る間も惜しんで頑張ったっすね?
- 三弦「ミツルロイドMARKⅢ バッハカスタム。マネージャー業のストレス発散のため全仕様を好きなように極秘開発。つまり、バッハ様と同じお姿に!ヤッ!」やっぱりマネージャー業はストレスだったっすね?三弦くんやるねえ。ナウいわ!
- ミツルロイドMARKⅢは警備員達をなぎ倒す。すごいね三弦くん。イカスう!
- さあ今のうちに、とゲート通過。バッハ様は下半身はぎょうなくんのまま。エレベーターの前でバッハは三弦の肩をポンって。バッハ「三弦、苦労をかけたな」。三弦の笑顔が超カワイイ。やったっすね亜紀楽さん!苦労が報われたっすね。
- それでも不法侵入者が入るのを阻止しようとした警備員達。でもミツルロイドMARKⅢが発動したムジークでバッハ化されてしまう。ミツルロイドMARKⅢはちゃんとしたムジークが出せているし、ミツルロイド改よりも進化しているみたい。
- 元自分の職務室の扉をバーンと開けたバッハ。ぎょうなくんの下半身はいつの間にか脱ぎ捨てていて、短パンのおみ足がまぶしいです。
- PC仕事をしていたワーグナー「なぜここまで来られた!?」。以前ワグドボがそうしたように(『クラシカロイド』第6話(第2シリーズ) ハハはカニ カバはサイ 感想)、ゲートを強行突破してきたのよ?警備員増強してセキュリティ強化していたんだろうけど、バッハには三弦という大きな味方がいたからね。
- バッハ「大切な話しをしにきた。ワーグナー。おまえは今、破滅へと突き進んでいる」。確かにいきなり「なんて挨拶だ…」(byワーグナー)。
- バッハ「おまえは音楽と自我との区別がついているか?曲が世間に広がることで、自分の存在も大きくなると誤解してはいないか?」さすが、前世で子沢山だったJSB。子供のふるまいやその考え方は大体想像できるのね。
- ワー「ぼくの曲はぼく自身」…だめだ音楽と自我との区別がまるでついてない。「ぼくは音楽で永遠になり、世界を統べる。それこそがプロジェクト・ニーベルング」。ワー君は思ったことは全部言ってくれる、わかりやすい子ではある。
- バッハ「曲と共にムジークの暴走が世界をのみ込めばどうなると思う?今が引き返すときだ。すぐに音楽活動から手を引け」。きっと前世JSBの子供達はビッグダディの言うことを素直に聞く子達だったんだろうな…真正面からド正論を言うと、かえって拒絶しちゃう子もいるのに。
- ワー「ハ、ハハハ。笑わせる。とっとと帰るんだね。でないと…」続きは聞けず、日芽歌「そんなケンカしちゃだめよ」、響吾「だめなんかじゃないさ。でももうちょっと穏やかに話した方がいいねえ」と、いきなり両親の登場!三弦「合図があるまで開けるなと言われたっすよね!」そんな約束はこの2人には通用しなさそう。
- 驚くワーグナー。回想はインキュベーターの中で聴いた響吾さんの言葉「だめなんかじゃないさ。キミはワーグナーになる。より人間らしいワーグナーにね」。あの指輪の形のブローチは響吾さんからのプレゼントだったのね…。
- 「父さん…」響吾さんに駆け寄ったワーグナー「どうしてバッハなんかと…」。おでこコツンした響吾「細かいことはいいじゃないか。おしゃべりに来たんだ」。おでこコツンはバッハ→三弦のを第1シリーズで見たことある(『クラシカロイド』第24話 八音の世界・後編 感想)。
- ワー「会いたかった」…夢にまで見た親子の抱擁。無理、わかっていても泣く。ずっと「父さん」を待っていたんだもんね。バッハ「あとは任せよう」と退出。三弦も後を追う。
- 父さんの腕の中で涙するワーグナーのアップからアイキャッチ。ここまであっという間!密度が濃い!
- Bパート。アルケー社の受付でワーグナーへの弟子入り志願する奏助。そうよね、まず受付に行くべきだと思う。いきなり社員通行ゲートに行けば警戒されるに決まってる。奏助「彼とは、ま、家族みたいな関係っていうか?えへえへへ」って、「家族」って言うのは一応ためらいがあるみたい。
- アルケー社の屋上。バッハ様と三弦が夕日の中で二人きり!三弦さん今がチャンスよタックルだ(五七五)。
- バッハ「決めたのだ。響吾にかけると」。ああ、つらい別れ方をしたのに、なおも創造主を信じているのね…。「ワーグナーを止められるのは、響吾…親の愛のみ!」キメ台詞。三弦も「愛」に反応したけど、すぐさま「そんなキャラでしたっけ?音羽博士」。ぴゅうっと風の音(笑)。
- ワーグナーは響吾さん日芽歌さんと親子水入らずでお茶してる。ワーグナーは今まであった出来事は話したみたい。ワー君が「バッハのやつ」うんぬん言ったのを、フレンチトーストのハチミツの話題にしちゃった響吾さん。あまり真正面からは聞きたくない話題だったの?
- 日芽歌「たまには館にも帰ってきてね。みんなで歌苗のごはん、食べましょ」。わかる。ヒメちゃんは家事をまったくしない人なのよね。
- 「館」で思い出した、音羽館ロイド達のこと。ワー「館のやつら、ぼくのことバカにして。バッハと同じだ。それに三弦、ぼくをムジークを出せなくして、出来損ない扱いにして」…もう、この考えなら周りは敵だらけじゃないの。少し対話ができれば、お互いに誤解が解けるかもしれないのに。
- 父さんが何か言いかけたのにも気付かず、話を続けるワーグナー。みんなのムジークを奪って自分は全部使えること。「ぼくは完全完璧なクラシカロイドになったんだ!」と、自信満々。ムジーク出せないのを「出来損ない」と言われたから、ムジークにはこだわったのよね。
- 響吾「いや、ムジークはやめておいてくれ」。父さんから意外な言葉が出て戸惑うワーグナー「何言ってるの?やっと手に入れたのに…」。
- 響吾「キミは元々、ムジークを使えないはずなんだ。カプセルの中のきみに最初はワーグナーの曲を聴かせていたんだけど、途中で私が止めたんだ」。これはつらい…。ワー「父さんが…」手がわなわな震えている。日芽歌「ワタルちゃん?」
- ワー「ぼくを出来損ないにしたのは、父さんなの…」、響吾「出来損ないなんかじゃないよ。でもムジークを止めたのはちゃんと理由があって…」もうこの先はワーグナーの台詞に遮られた。「うそだ!そんなの、そんなのうそだー!」ああつらいつらい…。屋上で異変を察したバッハ様、ダッシュ。
- 「いやだいやだいやだ!父さんだっただなんて!」ワーグナーはムジーク衣装に変身。「父さんがぼくを、ぼくを!」「信じてたのに。父さんが、ぼくだけを出来損ないにした!」響吾さんが話しをしようとしてもまったく聞く耳持たないワーグナー。
- バーンと扉を開けたバッハ「遅かったか…」。ワーグナーは奪ったムジークを繰り出してきた。マッチョ天使がめちゃくちゃコワイ。響吾「ああ、困ったな…」。
- 三弦「ミツルロイドMARKⅢ、カムヒア!」と、ナウくてイカスやつらを召喚。ムジーク発動してワーグナーが発したムジークを無効化。響吾「三弦くんか!」に、イエイってする三弦がイカス。
- バッハ様ダッシュ。すごい跳躍力でジャンプし、空中をくるくる回転してワーグナーの背後に回る。ワーグナーを取り押さえながら「今だ、響吾行け!」と、響吾さんに日芽歌さんを連れて逃げるよう促す。ためらう日芽歌さんに響吾「ここはいったんバッハに任せよう」。
- それにしても。バッハ様すんごくカッコイイんですが、そこまで華麗なウルトラC級の技は使わずともよかったのでは?バッハ様はムジークを失ってもギリギリどころの騒ぎじゃない。体操でオリンピック金メダルねらえそう。レジェンドバッハ。
- ワーグナー「ぼくは、ぼくは…おまえなんかに!」片方の目の色が変わり、抑えていたバッハをはねのける。指輪のブローチは砕け、ドイツ語のムジーク口上で今度は自分のムジークを出す。ミツルロイドMARKⅢはこの勢いで倒れた模様。
- 三弦「バッハ様!」、バッハ「おまえも行け。早く!ここは私に任せて早く逃げろ!」、三弦「いやっす。もういやっす離れるのは!バッハ様のおそばにいたいっす」、バッハ「バカなやつだ…」。んもう!なんなんですかこのいきなりのラブ展開は!いえ大好きですもっとやってください。とりあえず、チャイコちゃん大変よ強敵が現れたよ!
- ムジーク発動中のワーグナーを核にして、あやしげな装置が植物のつるのように伸びどんどん広がる。エレベーターの中から響吾さんは歌苗ちゃんに電話。こんな非常時だけじゃなくて普段から連絡とってあげてください…。
- 音羽館。歌苗ちゃんはやけ食いしながらリストさんに愚痴。「どんなに頑張ったって、気持ちが通じないとか、本当にあるんですね」。わかる。こんなときはポテチは大きい袋を丸ごと、板チョコもまるまる一枚食べなきゃやってらんない気分。
- 「あるある」と笑顔で話し相手になってくれるリッちゃんは頼れるお姉様。「いくらでも私がなぐさめてあげるわ」と、リッちゃんが自分の豊満なバストに歌苗ちゃんを抱き寄せたところで電話が鳴る。「お父さん!?」歌苗ちゃんは響吾さんからの電話に出るときは必ずこんな出方をする気がする。
- 響吾さんからは、ワー君と会ったけどうまく話せなかったこと。歌苗ちゃんからは、ワー君がみんなのムジークを奪ったことをテキパキと情報交換。さすが、非常事態に慣れている音羽家。
- 響吾「奪うなんて無理だよ。ムジークは、そう心のおならみたいなものだから」 お な ら !そのおならにワタルちゃんは執着してきたというのに…。奏助はそのおならが生活のいろどりだって言っているのに…。もしかして:ムジークマン=おならマン?
- 歌苗「でもみんな本当に出ないって」、響吾「今はちょっと詰まっているだけ」。あの、放送はお食事中のかたもいる時間帯ですよ?
- でも、響吾さん達がいるアルケー社はなんだか大変なことになっていて会話は続かなかった。響吾「悪いんだけどさ、みんなを連れてきてくれるかな!」
- 音羽館の展望台からアルケー社を見る歌苗ちゃんとチャイバダリスチョ。リッ「あんたたちの事務所のビル、なんか気持ち悪いわよ」、チャイ「元事務所だべ」。チョ「アルケーが、猛ってる…」とスマホでニュース番組を確認。歌「あそこに、お父さんもお母さんも、ワー君もバッハさんだっているんだよね…」。
- アルケー社の受付では奏助がまだ粘っていた。ワールドツアーに同行したいらしい。荷物持ちやら打ち込みの手伝いやら、出来ることを提案するのはいいことだと思うよ。受付嬢の二人はスマホでニュースを確認して、そそくさと退散。きっと他の社員達や警備員たちも逃げたのよね?コーチ陣や拉致要員の黒服軍団がどうなったのか心配…。
- そこにムジークが聞こえてきて、パッド君が原曲の解説。いつもありがとう!でも解説が終わった頃にはあやしげな装置が受付のある場所にまで伸びてきた。もしかして、逃げるタイミングを逃しちゃった?
- 音羽館では歌苗ちゃんが手を合わせて「お願い!みんなで力を合わせて、お父さんとお母さんと、ワー君とバッハさんを助けてください!」でもロイド達の反応は鈍い。シュー「我々が行ったところでムジークは出せないのですよ」ごもっとも。でもちょっと詰まってるだけ(by響吾さん)だから、大丈夫よきっと。
- ベト「響吾と日芽歌と、小娘の問題ではないのか?」この台詞は深い(※詳しくは後述)。歌苗ちゃんは最後は「ドボちゃん…」とまで。ビクっとなったドボちゃん、ちょっとためらいながら目をそらす。
- 一人で行くと言った歌苗ちゃんに、バダ「私達は行く!ねっ」、チャイコ「ったりめえだ。バッハ様を助けるだ!」ありがとう!10代女子だけのチームで行くなんて、なんかぷいきゅあみたいでカッコイイよ!
- ドアに手をかけた歌苗ちゃんが立ち止まって「本当にいいんですか?ワー君はみんなにとっても弟でしょ?」、チョ「みんなの…」、シュー「弟…」、少し空気が変わった?
- 歌苗「だってそうでしょ?みんなお父さんが作ったクラシカロイドなんだから。兄弟で、家族じゃない…」。少しの沈黙。
- モツ「ええっと。ってことは歌苗はぼくのお姉さん?」、歌苗「えっ?まあ私もお父さんの娘だし、みんなのお姉さん…」モツはすかさず歌苗ちゃんの手を取って「ぼくら禁断の恋人同士だったんだ!」、歌苗「いや違うと思う…」。モツの理屈がすごいし歌苗ちゃんもちょっと戸惑っているけど、この流れいいかも!
- ベト「家族…新鮮な響きだ」、シュー「先輩と兄弟ですか!」めちゃくちゃうれしそう。ところで先輩が兄でシューさんが弟の設定?
- リスト「お姉様とお呼びなさい!」もう出会ったときからずっとお姉様ですよ!ショパン「妹設定…」二次元っぽいこと言う(笑)。ドボ「プギプギ」…ごめん、カバリンガルがないと言っている意味がわからない…。
- みんな大喜び。バダ「本当は心配なのに素直に行けないだけじゃない」、チャイコ「いちいちめんどくさいやつらだべ」。でもよかったね、歌苗ちゃん。
- でも、移動は路線バス。ムジークがあればベトの田園ロボやドボちゃんのカバ列車で行けるのに、今はみんなムジークが使えない…。ところでカバの乗車はOKだったのね?
- 変わり果てたアルケー社が見えてきた。ベト「まるで生気を失った城だな」、リスト「さながらヴァルハラね」、モツ「ブタバラ?」、リスト「ヴァルハラよ!『ニーベルングの指輪』に出てくるの。昔ワーグナーが長年かけて書き上げ、上演した舞台よ」、シュー「元は北欧神話に出てくる神の宮殿。戦死者の城」、ショパン「ゲームにもよくある」。皆さん解説ありがとうございます!
- バスが止まる。交通規制で引き返すらしい。この先に行くなら歩くしかないのね。でもぱっと見で判断するに、もうかなり近いところまで来ているみたいよ。
- 奏助は装置を這って移動している。よく見ると装置は楽器がモチーフになっているのね。月明かりが見えた奏助「外だ。助かった…」と思った瞬間に足を踏み外し、管の中を滑り台のように滑って外へ。
- 外には歌苗ちゃんとロイド達が。奏助「みんな!助けにきてくれたんだ…しかも走って」お目々うるうるしている。モツ「ってか、奏助なんでいるの?」みんなは奏助がここにいるのを知らなかったし、そもそも奏助を助けに来たわけじゃないのよね…。
- 奏助「うえーん怖かったよー」うんうんわかるよ。でもベトが黙って近づいてきて、奏助を抱えると、さっき奏助が出てきた管に戻す。シュー「ここから入れますね」、歌苗「助かったー。奏助ありがとう!」、リッ「ポンコツさっさと上がって!その穴通るから!」
- 戻るのがイヤで必死で抵抗する奏助を、ベト「ええい早く行け!」と力業で押して戻す。ベトは男らしいけど、奏助が不憫…。
- 受付があった場所で奏助が経緯説明。道が3つに分かれているのを「真ん中の道一択」と考えるのがベトらしい。でもみんなのお姉ちゃんである歌苗ちゃんが3チームに分かれる判断をしたらみんな従う。
- そしてみんなお得意のジャンケンだよ!ドボちゃんも手(右前足)を出して参加してるよ!
- チーム分け最高!「グー組」はクラクラの2人と奏助。清純派アイドルをどうかよろしくね、ポンコツナイト!
- 「チョキ組」はモツ、シュー、ドボ、パド。シューさんはそんなに落ち込まなくても…。ドボちゃんはチョキが出せるのね?お箸ももうすぐ持てるようになるよきっと。パッド君も一人前としてジャンケンに参加していたの?奏助と離れちゃったけど、仲良しのドボちゃんがいてよかった。
- 「パー組」は歌苗ちゃんとベト、リッ、チョ。第1シリーズのクライマックスと同様、歌苗ちゃんにはベトが付きそう。それが運命。
- さあ出発!「パー組」は透明な壁に直面。ベトが「うおー」と体当たりするも突破できず。歌苗ちゃんがノックしても開かず、「ワー君、どうして…」とその場にへたり込む。
- チョ「心の壁。他人を拒絶して近づけないよう、ムジークの力で心のバリアを形成している」。「心の壁」についてはきっと思うところがあるのよね。チョピンさんさすがです。
- 歌苗ちゃんは自作の「姉と弟」お守りを手に、ワー君との思い出を回想。「あの日からずっと毎日ドタバタの連続で、お姉ちゃんらしいことなんて全然できなかったけど、私はワー君が来てからずっと、ずっと楽しかったよ…」涙が手に落ちる。「帰ってきて。みんな待ってる!」
- 歌苗ちゃんの手元から光が!衣装替えシーンの作画がすごい。チョ「変身キター!」、リッ「なにちょっとすてき!ね!ね!」とベトに同意を求めるも、ベトは「え?あ、うん」が精一杯。
- 歌苗ちゃんがソードをひとふりし、壁がくだける。歌苗「なんだかよくわからないけど、ワー君が必死に呼んでいる気がするの。だからみんなで行こう!」声まで違う。リッ「子猫ちゃんすてきよ!」、チョ「なんか変なスイッチ入っちゃったね」、ベト「うむ。ふっきれて一皮むけたようだ」。
- 走り出す「パー組」の皆さん。歌苗「ワー君、必ず見つけるよ。待ってて。お姉ちゃんが助けに行くからね」。裸で膝を抱えて顔を伏せるワー君の絵が出たところで、Attacca。
- エンディング。最初は歩くワー君のシルエット、続いて指輪ブローチの中に今までのワー君の登場シーンが。指輪ブローチは回転しながら落ちていき、最後はワー君の首元に戻る。父さんからもらったブローチ、割れてないよ!だから大丈夫!
- 次回予告。「姉と弟」というサブタイがまた。歌苗「みんなで帰ろう。私達の音羽館へ」、そうだよみんなでわちゃわちゃ暮らしてほしいよ!部屋は増築しようよ。日芽歌ママにちょっと資金調達してもらってさ。
♪ムジーク
闇を切り裂く光~ジークフリートの葬送行進曲より~
アーティスト:蔦谷好位置(Vocal:Naumi)
作詞:蔦谷好位置 作曲:リヒャルト・ワーグナー 編曲:蔦谷好位置
♪ムジーク効果(私見)
絶望したワーグナーが自らを守るため、障害物や壁を築き上げる。アルケー社はヴァルハラ城のようになった。一方で自分を助けに来てくれた「姉さん」を武装させ、厚い「心の壁」も打ち破らせる力も授けた。
♪今回(第23話)のマイベスト・ベト
今回は「ベト歌」がいっぱいあります。マイベストは「ベト歌」に分類できないシーンで。
「ついに人生を見直す気になったか」。見返り美人もとい美男。
やっと外に出られた奏助を抱えて、出てきた場所に戻す。こういうのはベトの役目よね。
「無論、中央の道に全員で突入!」さすが先輩。
「うおー!」と壁に突撃する。たとえムジークが使えなくても、男は黙って…ですね。
♪今回(第23話)のベト歌
今回は供給過多!ああ物語が最終段階に向かっている…。
ベト「響吾と日芽歌と、小娘の問題ではないのか?」
これは重要。ベトは小娘に「家族の問題と向き合う覚悟があるか」を問うたのよね。周りがサポートしてもしなくても、最終的には自分自身で何とかしなければならない問題。小娘に対して、生半可な覚悟じゃつらい目にあうと仄めかしたのでは?ここまで小娘を想ってくれて、ありがとうベト。
ベト「家族…新鮮な響きだ」んもう!歌苗ちゃんと「家族」と思うと胸一杯で、隣の後輩の気持ちには気付いていないでしょ?
歌苗「だめです。迷っちゃったらどうするの?3組に別れて一度に全部調べます!」に反論できないベト。妻の尻に敷かれた夫(※違います)。
「パー組」やっぱり同じチーム。運命。
歌苗ちゃんの変身したとき、リッちゃんに声かけされてもベトは「え?あ、うん」が精一杯。あまりにまぶしくて、言葉が出ないのよね。
ベト「うむ。ふっきれて一皮むけたようだ」。この表情。歌苗ちゃんの成長を見守ってきたから感慨深いのよね?
ニーベルングの指環〈上〉序夜・ラインの黄金、第一夜・ワルキューレ (中公文庫―マンガ名作オペラ)
- 作者: 里中満智子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/10/01
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『ニーベルングの指輪』は一度通しで楽劇を観てみたいと思っています。でも全部で15時間と長いので、手始めはダイジェスト版の楽曲集や大掴みあらすじのマンガから入ろうかと。何かおすすめ作品があれば、ぜひ教えて下さいませ。
※この記事は「アニメ『クラシカロイド』のことを書くブログ(http://nyaon-c.hatenablog.com/)」のブロガー・にゃおん(nyaon_c)が書いたものです。他サイトに全部または一部を転載されているのを見つけたかたは、お手数ですがお知らせ下さいませ。ツイッターID:@nyaon_c