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アニメ『クラシカロイド』のことを書くブログ

アニメ『クラシカロイド』のことを書くブログです。

『フロイデ』車戸亮太(著) 読みました

 

フロイデ (モーニング KC)

フロイデ (モーニング KC)

 

 今回はマンガ『フロイデ』を紹介します。クラシック音楽家の史実を気軽に学べるマンガをネットで探して、見つけた本の一つです。史実を知りたがっている息子(小6)の食いつきぶりはなかなかのものですが、大人である私も楽しく読みました。

morning.moae.jp

上の「モーニング公式サイト」では、単行本に未収録の「番外編」を2つと、本編のお話の1つを読むことができます。【phrase:3】は単行本では【phrase:2】として収録されており、内容は同じです。

honto.jp

冒頭部分を試し読みできるサイトのうち、私が調べた限りでは、上のサイトだと会員登録ナシで読めるようです。【phrase:2】の途中まで読むことができます。

過剰なネタバレは避けたつもりですが、これから読む予定で内容を知りたくないかたは「続き」は読まないでください。ここでお帰りのかたに一言だけ。「史実を知りたいかたが気軽に読める、楽しいマンガですよ!お子様にもオススメですが、親御さんがフォローしてください」。

(以下ネタバレあり)

 この作品、もう少し話題になってもいいのでは?音楽家は大勢登場するし、豆知識の量は多いし、お話も面白かったし。これ、(1)とか番号が付いていないということは、もう続編はないのかな?もっと色々なエピソードを読んでみたいです。

舞台は天国にある「音楽の都(ウィーン)」。主人公はおそらくベートーヴェンで、出てくる音楽家はバロックのビバルディから印象派ドビュッシーラヴェルまで、実に幅広いです。ここまで網羅している漫画作品は、私は他に知りません(※あったらぜひ教えて下さい)。ちなみにクラシカロイドの八音ではチャイコフスキーバダジェフスカが登場していません。また、トリビア的な豆知識を細かく入れてあるので、楽しみながら物知りになれます。あと、紙の単行本であればカバーをぺらっとめくってみてください。「年齢順キャラ一覧」がイラスト付きであって、それぞれの音楽家の世代関係がよくわかります。こういうサービスって、マンガ本では普通なんでしょうか?『運命と呼ばないで』と『ジャジャジャジャーン!』もカバー裏にオマケがあったんですよ…それ最近気付きました私…。

ベートーヴェンはほとんどの話に登場するものの、出ない回もあります。やっぱりモーツァルトベートーヴェンと絡むので、いつの世も二人は一緒にいる運命らしいです。この二人がいる場所にはなぜか首だけのハイドンもいますが、天国ではうまく付き合っている様子。サリエリはここでも「モーツァルト毒殺首謀者」の疑いが…そろそろ汚名をそそいであげてほしい。そしてバッハはこの世界でもプロデューサーです。ブラームスはストーカーになっていて、扱いがなんだかお気の毒。シューマンの回で間接的に取り上げられていたものの、これじゃあブラームスの良さはよくわからない…。せっかくならクララも混ざった三角関係が見たかったよ。一方、ワーグナーに関してはパトロンのルートヴィヒ二世も登場してがっつり語られていますので、もしかすると著者はワーグナー派なのかも?ちなみにこのマンガでのエロ担当はドビュッシーです。といってもラヴェルにAV(「いけない☆ワルツ」とか)を勧める程度のライトなものです。

私はピアノが弾けないのですが、ショパンの回では「革命」や「英雄ポロネーズ」等の有名曲の弾き方を細かく描いており、表現力って大事なんだなとしみじみ。個人的に一番面白かったのは「超絶技巧」の持ち主であるリストの回です。リストはスマホを駆使してインスタやツイッターに投稿し続ける、派手好きなナルシスト。ロックスターのような存在で大勢の女性ファンに囲まれる。必殺「10度の指開き」に、激ムズ曲「ラ・カンパネラ」を目をつぶって弾く。さらに娘コージマの結婚絡みでワーグナーと確執があったことも取り上げられており、もう盛りだくさんです。リストって面白い人だ…。

ただ、ゴメンナサイ。私どうしても不満があります。一つは「ベートーヴェンのキャラはコレジャナイ」。狂言回しの役割を担っているので様々な音楽家と交流するためか、コミュニケーションが上手な好青年になっておる…。よく知られている「短気で気難しい」性格は一体どこに?もう一つ「シューベルトはもう別人だ…」。なんでこんな狡猾なキャラになってるの?彼をサポートした所謂シューベルティアーデのメンバーをシモベとしてこき使い、恩師サリエリと尊敬していたはずのベートーヴェンさえもいいように利用しとる。うーむ。もしこんなに世渡り上手な人だったなら、楽譜の出版交渉もうまくやっただろうし、名前を売ることもお金を稼ぐこともできたのでは?彼が不器用な性格だったからこそ、周りの人に慕われたんじゃ…?図書館で伝記マンガを読みあさっている我が家のにわか史実厨(小6)も、「シューベルトがなんか変」と言っていました。この二人については少し知識があったので気付けたものの、もしや他の音楽家も性格の捏造あるの?と考え出すとモヤモヤします。私これから勉強して確認しますよ、うん。

でも娯楽作品って多少の創作はつきものだと思うので(「クラシカロイド」だって元男が女性になっていますし)、「通説と違う」部分は大人であれば情報リテラシーを活用して「ちょっと違うけどこんな解釈も面白いよね」と思えればいいのではないでしょうか?お子さんの場合は、大人が少し補足して内容すべてを鵜呑みにしないよう気をつけてあげれば大丈夫、うん。

おまけ。Amazonで『フロイデ』のページを開くと、「よく一緒に購入されている商品」として『運命と呼ばないで ベートーヴェン4コマ劇場』と『ジャジャジャジャーン!(1)』が出てくるんですが、それって私のこと…?それぞれ感想を書いていますので、そちらの記事もあわせてどうぞ。

nyaon-c.hatenablog.com

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最後までおつきあい頂きありがとうございました。