アニメ『クラシカロイド』のことを書くブログ

アニメ『クラシカロイド』のことを書くブログです。「自由にしかし楽しく!クラシック音楽(https://nyaon-c-faf.hatenadiary.com/)」の姉妹ブログです。

コメント・ご連絡はすべてツイッターにお願いします。ツイッターID:@faf40085924 ※アカウント変更しました。
※無断転載を禁じます。

ドラマCD『月刊音楽家図鑑』<黒盤><白盤>(ポニーキャニオン) レビュー

今回紹介するのはポニーキャニオンから発売されている『月刊男前図鑑』特別編の『月刊音楽家図鑑』(2010/7/21発売)。音楽家の独白形式で進む恋愛ドラマのCDです。

 

 大人の雰囲気の<黒盤>にはモーツァルトベートーヴェン

 

 どなたでも楽しめる<白盤>にはブラームスとバッハが収録されています。
2枚同時購入特典である『よくわかる!音楽家図鑑CD!(ナレーション:羽多野渉)』もあわせて紹介します。

以前からずっと気になっていたCDです。私はアニメやドラマをほとんど見ないので声優さんのファンとかではないですゴメンナサイ。あくまでも始まりは音楽家自身への関心から。伝記は色々読んだけれど、実在の人物をモデルにした創作にも興味が湧いてきたのです。明らかに『クラシカロイド』の副反応ですよ、はい。ブラームスを除くバッハ、モーツァルトベートーヴェンは『クラシカロイド』にも登場しますね。

CDをついに入手したので、このところ毎日夜中にこっそりヘッドフォンで聴いています。まさか車では聴けないですよ、事故起こすから!それにしても、このジャケット絵に「月刊男前図鑑」というタイトル…家族がいる主婦としては、いつものCDを置く棚や本棚にはちょっと置けないなと(※後ろめたいわけではないのですが、なんか恥ずかしい)。プリンター台の下、自分しか見ないPCソフトの並びに茶封筒に入れてさりげなく隠してあります、ええ。見つかったらどうしよう…。

例によって内容に触れる部分は畳みました。続きは「続きを読む」からお進み下さい。

 

 (以下ネタバレあり)

予想していたよりずっと良かったです。これは大事にして時折聴いていこうと思います。テーマやジャケットの絵から、チャラチャラした内容だったらどうしよう(失礼)と心配だったのですが、良い意味で裏切られました。物語自体は創作でもきちんと史実を踏まえた内容になっており、脚本家さんはよく勉強されているなという印象です。一人語りなので基本喋りすぎですし、愛を語るくだりは文章で書き起こすと字面が恥ずかしいんですが、お話はよく出来ていると思います。

声優の皆様はいわゆる「イケボ」で、声だけの一人芝居を見事に演じきっておられます。地声が良いだけじゃなく、ささやいたり声を荒げたりの演技もさすがです。そして、何ですがあの「ん」や「はあ」が混ざったような「ああ…」の息づかいは!四者四様の「ああ…」が、もう「子宮に響く」というか、女の本能を刺激するのよどうしてくれよう(※あけすけでスミマセン)。ゾクゾクするう(byリッちゃん)。理屈抜きで私は「声」に弱いんだと認めざるを得ない、うん。とはいえ私は二人の子持ちで既に若くはないですから、深入りすることはないですよ?あくまでもファンタジーとして楽しんでいます。

特典の『よくわかる!音楽家図鑑CD!(ナレーション:羽多野渉)』は収録時間7分半。今回登場する4人の音楽家についてざっくり紹介しています。作品の人選はドイツ三大Bに加えてモーツァルトだそう。うん、そんな気がしてた。次回(「英雄編」)の宣伝もあったので、一人あたり大体2分くらいの解説です。内容自体はオーソドックスなことで、伝記マンガを数冊読めば大体マスターできるレベルのものと思われます。4人とも登場する伝記マンガ「マンガ音楽家ストーリー」(全8巻)のレビュー記事へのリンクを貼っておきますね。

 

nyaon-c.hatenablog.com

 

さて、本編へ。本編やブックレットには出てこない恋のお相手の名前や史実については、私が補足で入れています。劇中曲は私の耳で判断したモノなので、誤りがあるかもしれません(※特に曲名が分からずにあたりをつけて調べたものについて)。誤りに気付いたかたはぜひ私にこっそり教えてくださいませ。

 

では、まずはアダルティな<黒盤>から。

まずは、安心して下さい。事前と事後はあるけれど直接的な性描写はありません。卑猥な言葉や下品・乱暴な表現もありません。年齢制限をするとすればせいぜいR15くらい?キスもチュッと軽く触れる感じ。それにしても、あのキスの音はどうやって出しているんだろう?自分の手の甲にでもキスしているの?

01.モーツァルト(CV浪川大輔
浪川大輔さんは低めでもハッキリ通る声で、女性に対して強気な「ドSキャラ」モーツァルトを演じています。私はどちらかというと傅かれたいタイプなので、偉そうにされたらむしろ腹立つんですが(苦笑)、お好きなかたならゾクゾクできると思います。ただ、私でも「高飛車な感じ」と後述する「弱さ」のギャップにはぐっとくるので、制作スタッフはわかっていらっしゃるなと。

時期はモーツァルトが雇い主のコロレド大司教とケンカ別れして単身でウィーンに飛び出した頃。まだコンスタンツェと結婚する前のようです。一人称は「俺」。「あんた」と呼ぶ一夜限りの恋のお相手は、誰かわかりません。どうやら高貴な身分の人妻で、モーツァルトのファン。演奏会の打ち上げで入った場末の酒場で、おっかけのファンの女性と一夜限りの関係を結ぶ設定です。

「俺のこと好きだから声をかけてきたんでしょ?」が、子供時代に「ぼくのこと好き?」が口癖だったモーツァルトらしい台詞ですね。宿の一部屋に入ってからも強気な姿勢を崩さず、演奏会を褒められても「俺の書く曲とか俺の演奏が最高だってことはわかってる」。「ふしだらだって言われちゃうよ」って挑発したりも。道徳を気にする彼女に「お帰りはこちらへ」と部屋のドアを開けたりして、決して抱かせて欲しいなんて懇願しない。ちょっとちょっと彼女、高貴な生まれの女なら一喝してやりなさいよ「控えよ無礼であろう」くらいは(笑)。そこで男がひるまず逆に火がついたって展開ならもっとよかったのに。でもまあ、この女性はおとなしくて従順です。「堅苦しい服は好きだ。脱がす楽しみがある」「どんなふうに啼くのかな。楽器は最初の一音ですべてがわかる」って衣擦れの音!ここからが本番なのに、次の場面は事後です。

彼女が眠っている横での独白。夜な夜な女性を求めずにはいられない訳が「新しい曲が追いかけてきて眠らせてくれない」からなんですよ。「俺は長生きしなさそうだな…」って、実際そうだったから切ない。彼女が目覚めてから、モーツァルトは結構優しい。事後に冷たくなる男は最低だけど、そうじゃなくてよかった。彼女を抱きながら曲が思い浮かんだものの「一度だけじゃ足りないみたいで」って、その後は懇願するんです。「ねえ、いいでしょ?」のかすれた声が、もう全部許しちゃいそうでコワイ。強気な人が弱さを見せるとつい負けちゃうよね。芸術家としての彼の苦しみもわかる。でもさ、女は楽器扱いなの?彼らしい(※実際その通りかはわかりません)とはいえ、ゴメンナサイ私には無理です。

冒頭、演奏会の曲はこのCDに第1楽章が収録されている「交響曲 第29番 イ長調 KV 201」の最後の方だと思われます。彼女を抱きながらほぼ出来ていたという「変ロ長調」の曲はおそらく「ピアノソナタ第13番変ロ長調 K.333」の冒頭部分かなと。

02.ベートーヴェン(CV鳥海浩輔)
鳥海浩輔さんは『クラシカロイド』ではショパン役の声優さんですよね。私、ベトの声(CV杉田智和)は好きなのでイメージ違う?と思ったのですが、鳥海さんのベートーヴェンもイイですよ!落ち着いた低めの声バージョンと、難聴を嘆くときの激しいバージョンがありました。

難聴で自殺まで考えていた頃に、以前ピアノを教えたことがある貴族の令嬢(※未亡人になっている)から手紙をもらって再会し、お互い強く惹かれ合う設定。一人称は「私」。「あなた」と呼ぶ恋のお相手は、ヨゼフィーネ・ダイム伯爵夫人です。献呈したわけではありませんが、『ピアノ・ソナタ 第23番「熱情」』は彼女に恋をしていた時期に書かれた作品の一つのようです。ちなみにヨゼフィーネの従兄弟にあたるジュリエッタ・グィチャルディとは恋人同士だった過去があります。ジュリエッタには『ピアノ・ソナタ 第14番「月光」』を献呈。どうでもいいですが、私はいとこのお下がりは心理的にイヤかも。ベートーヴェンのことは数々の恋バナ含め昔から好きなんですよ、念のため。

既に事後で、ベートーヴェンが一人でピアノに向かっているときに彼女が起きてきます。「そばにおいでよ。かわいい人」ふうぅ。「抱きしめるだけでは足りない?キスではどう?」きゃあああ!ベートーヴェンがそんなこと言うなんて思わないから激しく動揺しちゃいましたよ!情熱的なキスと溜め息と「あなたの声を聴くことができたら」のつぶやき、もうもう胸が苦しくなります。「私を強く抱きしめてくれ。私のことを愛しているなら、どうか」…あんなに強そうに見える人でも不安なのよね、きっと。

回想。出会った5年前はただのピアノの師弟関係で、彼女は姉よりもおとなしくて印象は薄かったようです。3年後、難聴を自覚しはじめた頃(ここの演技は圧巻です)に彼女から手紙が。彼女のピアノの音色とともに思い出した彼女の言葉「人にはみんな果たすべき何かがある。私(ベートーヴェン)のそれは他の人よりも多く、複雑で難しく困難なのだろう」「芸術を昇華させることは誰にでも出来るわけではない。だが私(ベートーヴェン)だけはそれを成すことができる」…ここ、ハイリゲンシュタットの遺書に対応する表現がありますよね。彼女の存在と彼女の言葉が、死を思いとどまらせたと。「絶望に沈んだ今の私にとって、彼女の変わらぬ信頼が光のように思えた」。ねえ「光」ですってよ!彼女の私生活も大変な状況になっていて「身分や立場、世間体といったものが立ちはだかっていたとしても」二人は逢瀬を重ねることに。

今作っている曲を少し聴きたいと彼女が言うので、弾いたのが「熱情」のさわりの部分。「今はココまでにするよ。まだ最後まで書いていないし。それに、あなたに触れたくなったから」んあああ。キスと衣擦れの音と「だめだよ、逃がさない。(中略)私の奏でるすべてはあなたから生まれてくる」「愛してる、愛してる、愛してる、愛してる!」よ、4回も!「私にあなたの全てを見せて。言葉より、あなたの全て…」もう一度、という流れのままフェードアウト。心揺さぶられる物語でした。というのも彼女を求めずにはいられなくなるのが、単なるキャッキャウフフではない気がするんですよね。もっとこう、「生きること」そのものというか。二人がたとえ大人の関係になっていても、こんなに純粋な想いってなかなかないんじゃないかって。上手く言えないなあ。

いやあすごい。確かに時期的にぴったりではありますが、難聴とハイリゲンシュタットの遺書を恋物語に結びつけましたか。それも彼女が直接自殺を止めたのではなく、あくまで彼女は「光」でベートーヴェン自身が苦悩を乗り越えたという。良い物語を聴かせて頂きました。

ピアノレッスンの回想で彼女が弾いた曲は「ピアノソナタ第1番」の冒頭部分だと思います。恋人に弾いてあげたのは「熱情」第1楽章のほんのさわりのみ。ラストでフェードアウトした曲は「エリーゼのために」でした。

03.~キャストクレジットトーク
まずは鳥海浩輔さんがベートーヴェンの話を。次いで諏訪部順一さんが白盤と次回(「英雄編」)の宣伝を。浪川大輔さんと柿原徹也さんは二人で楽しくトークしています。この二人は仲がよさそう。

スペシャル音源>
04.交響曲 イ長調 KV201(186a)~第1楽章 アレグロ・モデラート(モーツァルト)
 ゲルト・アルブレヒト(指揮)プラハ室内管弦楽団 Symphony in A major, K.201 (186a):1. Allegro moderato
モーツァルトは詳しくないんですが伸びやかでいい曲ですね。調べたところこの「交響曲 第29番」は10代の頃に作曲したそう。29という数字から考えると、その前に交響曲だけで28曲あるわけですよね。陳腐な表現になるけど、すごいなあ。

05.ピアノ・ソナタ 第14番「月光」~第1楽章(ベートーヴェン
 ハルトムート・ビュンダー Piano Sonata No.14「Moonlight」~1st mov.
「月光」は良いですよね。私が史実ベートーヴェンに興味を持つきっかけになった曲でもあり、今でも好きな曲です。

06.ピアノ・ソナタ 第23番「熱情」~第1楽章(ベートーヴェン
 中村皇恵 Piano Sonata No.23「Appassionata」~1st mov.
んんーやっぱり私「熱情」好き。むしろ若い頃よりもこの年になった今、心に沁みるようになりました。

でもね、どの曲も第1楽章だけって、なんでフルで聴かせてくれないの?トークは要らないから(暴言)、何なら2枚組にしてくれていいから、楽曲は最初から最後まで聴かせて欲しいです。

 

次いで<白盤>です。

01.ブラームス(CV諏訪部順一
ブラームスは少し収録時間が長めで21分27秒です(他はバッハが17:15、モーツァルトが16:26、ベートーヴェンが15:18)。ブックレットにも短い文章ながら、ドヴォルジャークを支援したことにまで触れており、クララ・シューマンとの実際的な恋愛関係があった記録は無いと断り書きもありました。制作サイドはもしかしてブラームスがお好き?

諏訪部順一さんは低めの声の落ち着いた演技で、設定が20歳にしては大人な雰囲気です。白盤なので性的なことやキスさえもないんですが、ものすごくエロいです。プラトニック・ラブなのにエロいとはこれ如何に?いやあこれはぜひ実際に聴いてみてください。特に何度も出てくる「ああ…」がもう、もう…。ほ、惚れてまうやろー!諏訪部順一さんのブラームスが好きすぎてつらい。もし『クラシカロイド』にブラームスが出るなら、声優さんは諏訪部順一さんでお願いします!

一人称は「僕」。「あなた」と呼ぶ恋のお相手は、クララ・シューマンです。師匠で大恩人のロベルト・シューマンの奥様かつ音楽家としても大先輩なので、敬語で話します。敬語はもちろん大好物ですが、時々敬語を忘れるのがまた良いのよ!精神を病んだロベルトが入院して、ブラームスがクララと子供達を懸命に支えるうちにクララに恋をしてしまう設定。有名なお話です。34歳くらいの女性は本当に美しいですよね。ハタチそこそこの小娘なんかつまらないって。ブラームスはお目が高い!でもまあ、野暮を承知で書くなら背徳感があるからこそ恋は燃えるのでしょう。実際、ロベルトが他界した後もクララとブラームスは結婚しなかったわけで。とはいえ20歳当時の彼は本気で「あの人のためなら死んでもいい」と思うくらい真剣だったわけで。うむ、重いよね…。

クララにお礼状を書くだけなのに熱烈ラブレターになっちゃって破り捨てる。クララから手紙が来たときはもう嬉しくてたまらないのに、もったいないからゆっくりと読み進める。演奏会の袖でクララの演奏を見ている場面では全身をもう舐めまわすように見ていて、「聖母のよう」とも。身体にはまったく触れていないのに、場面描写と声の演技だけでとんでもなくエロい。でも下品ではないです。演奏が終わって舞台袖に戻ったクララが高熱で倒れ、ブラームスは彼女を担いで宿の一室に戻ります。ベッドにそのまま横たえましたが、ほら、舞台衣装は窮屈だから衣服を緩めてあげて(※下世話)。医者を呼ぶのも、彼が部屋を出るのも止めた彼女。少しは気があるのでは?って期待しちゃうじゃないのよさ。病人は早く寝たほうがいいのに、彼が最近全く作曲をしていないことを心配してくれたりも。

許可をもらってから、自分の冷たい手を彼女の額に当てて「どう…ですか。良かった、少しでも気持ちいいなら」とか、眠るのを促すために「さあ、目を閉じて…愛しい人」とか、もう絶対にわざとだ(好き)。「あなたはいつでも、僕を思い通りにしていいんです」ああヨハネス、むしろ私を好きにして?これ、どなたでも安心の白盤じゃなかったの!?クララが眠った後の独白「あなたが手をさしのベるなら、僕はその手を離すことができないだろう。そして二人で堕ちていくことになるだろう。その罪はとても甘美なものになるだろう」ああもう無理、好き。一緒に堕ちたい…。でも彼は愛する彼女に罪悪を負わせることはしないんです。心の中でこう言います。「破滅するなら、僕一人でいい」うわああん、泣いちゃう。「あなたは僕の、たった一人の永遠の女性だ」…こんなにいい男に本気で愛されてみたい。好き…。なんかテンションおかしくてスミマセン。

クララが演奏会で弾いていた曲は『トロイメライ』です。病室でブラームスがクララの額に手をあてているときの曲は『アラベスク ハ長調 作品18』、独白してフェードアウトする時の曲は『幻想小曲集 作品12より「飛翔」』だと思われます。いずれもロベルト・シューマンの曲です。

02.バッハ(CV柿原徹也
柿原徹也さんは高めの声で、少年のようなイメージで演じられています。同じ20歳の恋でもブラームスのような後ろ暗さはまったくないド健全。白盤らしくお話の内容もピュアピュアで、例えるなら「部活のエースとマネージャーが少しずつ仲良くなる」ような青春モノです。それにしてもジャケットの絵、誰だおまえ(笑)?他の3名も大概盛っているけど、バッハは肖像画とはまるで別人の爽やかさ。結婚後は子沢山のビッグダディ、偉大なる音楽の父・大バッハ様がまだ独身で若い頃ですよ。でもトレードマークのカツラは勤務中は使っていたのでは?さすがに現代基準の「男前」には合わないとの判断?

一人称は「俺」。「キミ」または「又いとこ殿」と呼ぶ恋のお相手は、一人目の妻であるマリア・バルバラ(※後に死別)。ヨハン・ゼバスティアン・バッハの又いとこにあたる女性で、バッハより1歳年上のようです。時期はバッハが18歳でヴァイマルの宮廷楽団に就職した頃。彼女は近所にいて何かと世話を焼いてくれる女性で、バッハは最初から気になっているという設定。結婚は出会いから4年後ですが、お話のメインはバッハ20歳頃の抜剣騒ぎです。二人の距離が急速に縮まって告白からの両思いに!その2年後の結婚式で物語は幕を下ろします。今回登場した4人の音楽家の恋で、ハッピーエンドはバッハだけですね。

以前から因縁があった年上の輩どもに剣を抜いたシーンはなかなかカッコ良かったです。遅いから様子を見に来た彼女が惚れるのはわかる気がします。ただ、一応先輩を相手に挑発するのはどうかと思うよ。しかし若いなあ。「又いとこ殿」とのやりとりはおばちゃん恥ずかしいよ…。彼女に仕事や音楽のことを熱く語るんですよ。「カノンもいいけど今は断然フーガだね!」うん、青春。「俺の曲が好き?」「俺だってキミの料理とか好きだよ」きゃあ。「顔赤いよ、熱でも?」「ひょっとして、照れてる?」どどどうしよう。逃げようとした彼女をつかまえて「キミが好きだ。付き合って欲しい」あーん恥ずかしいー。「大好きだよ。初めてあったときからずっと」ザ・少女漫画。幸せの絶頂の結婚式でめでたしめでたし。おめでとう。ふう。これに素直に乗れない私は、やっぱり年をとったんだと妙にしみじみしてしまいました。

なお、バッハの物語に関しては楽曲がBGM的には使われてはいませんでした。場面展開は教会の鐘の音。

03.~キャストクレジットトーク
まずは諏訪部順一さんがブラームスの話を。結構勉強されているようで好印象。少しだけ鳥海浩輔さんが出てきて黒盤と次回(「英雄編」)の宣伝を。こちらでも浪川大輔さんと柿原徹也さんは二人で楽しくトークしています。やっぱりこの二人は仲が良いとお見受けしました。

スペシャル音源>
04.ワルツ第15番(ブラームス
 C=ステファンスカ&小林倫子 Waltz No.15
所謂「愛のワルツ」。私は昔から好きな曲です。Eテレ「2355」のトピーコーナーのあの曲ですよ。しかし、この収録されている演奏は随分ゆっくりで低音を強調する弾き方ですね。個人的にはもっと軽やかな演奏が好みです。

05.間奏曲作品117-2(ブラームス
 羽田健太郎 Intermezzo Op.117-2
待って。この曲、すごく好き…。聞き覚えはあったけど、ブラームスだったとは!調べたところ晩年の作品のようです。ついに独身のままで生きた人生の終盤に、彼は何を思ったのでしょうか…。
それよりも、私ブラームスピアノ曲を色々聴きたくなりました。ドイツ・レクイエムやアルト・ラプソディを聴いて「ブラームスについていけないかも…」と少しだけ落ち込んでいたのですが、ピアノならイケルかもー!

06.プレリュード第1番(平均律クラヴィーア曲集 第1巻より)(J.S.バッハ
 江崎昌子 Prelude No.1 ~The Well Tempered Clavier No.1-1

これは良く聴く曲ですね。ぐぐったところ「バッハの平均律クラヴィーア曲集はピアノの旧約聖書と称される」そうです。ちなみにベートーヴェンソナタがピアノの新約聖書。言ったのはブラームスと縁のある指揮者のハンス・フォン・ビューローだそうです。

07.主よ、人の望みの喜びよ(J.S.バッハ
 ジョン・ノヴァチェク Jesus, Joy of Man's Desiring

ウサビッt(そうだけど違う)。これもよく耳にする有名な曲ですね。収録されている演奏はビアノ独奏曲でした。ピアノアレンジもステキ。

 

月刊男前図鑑

余談ですが、『クラシカロイド』出演している声優さんで『月刊男前図鑑』の他のシリーズにお名前を見つけたのは、石田彰さん(パッド君)、大川透さん(音羽響吾)、櫻井孝宏さん(ロットバルト)です。待って、従者編の白盤「側近」が私の好みドストライクの設定。従者役が櫻井孝宏さん!え?どうしようあのハッシーの声の従者なんて…き、聴くしかない!?(※もはや音楽家の史実と関係ない…。)

長くなりました。今回も最後までおつきあい頂きありがとうございました。