『クラシカロイド』第20話 その名はモーツァルト 感想
※2018/08/26 画像を削除しました。なお、この記事を約1年後に見直した「振り返りレビュー」もあわせてお読み下さい。以下のリンクからどうぞ。
子供のように天真爛漫なモツの素顔が垣間見られる今回。タイトルを見る限りではシリアス回なの?と身構えてしまいますよね。でも安心して下さい。いつものコメディも展開されますので。ただ、覚悟してください。本気のムジークと作画に圧倒されますので。モツが大好きなかたも、そうではないかたも、今回は必見です。『クラシカロイド』スタッフの本気がよくわかります。では今回も深呼吸して、本編を見ていきましょう。
第20話 その名はモーツァルト (2017/08/20 再放送)
あらすじは公式サイトでご確認下さい。
♪感想(レビュー)
モーツァルトの交響曲第25番は聞き覚えのある人が多いのでは?その有名な曲がめちゃくちゃカッコイイムジークになって、動画もおそろしい程に美しくて、もちろんモツも超絶カッコ良くて。初見の時の衝撃はすごかったです。モツ担ではない私でも、この回は好きで繰り返し観ています。ただ、少し冷静になって考えてみると、みかんゾンビ回じゃないけど「何も解決してないよね?」。もしあのムジークを音羽館メンバーが見たなら彼の環境は変わるかもしれないけど、当の本人は誰にも見せたくないようだし。うーむ、音楽に何らかの効果を期待するのがそもそもやましいのかも、なんて。モーツァルトの曲はただでさえ「胎教にイイ」うんぬんで「利用」される側面があるので、史実モーツァルトは草葉の陰で嘆いているかもしれませんし(※あくまで勝手な推測です)。
平たく「天才は孤独だ」と言ってみたところで、私は凡人だから天才の気持ちはわからないよ…。しかし「自分は誰からも理解されない」と思うことは誰しもあるのでは?大人になるにつれてだんだんと諦めていくそんな感情に、若いモツは真剣に向き合っているわけで。普段見て見ぬふりをしている「自分の内なる感情」を直視する覚悟はあるの私?そんなことを思ったりしましたが、もちろん解釈は人それぞれですから。考察はできない人間なのでこの辺で。とりあえず、わかったふりをするのはやめておきます。
あとは忘れちゃいけないコメディ成分!モツのイタズラのドタバタに、音羽館メンバーのクラシカルな装い(※シューの妄想)に、モツパニックに、とこちらも見所満載ですから。『クラシカロイド』はこうでなくっちゃね!
以下は思ったことメモ。
- アバンはバスケ少年とそれを見守るモツ。そしてあっさりとオープニング曲に。
- 天蓋付きの豪華なベッドで目覚めたリッちゃんはお姫様ですか?クローゼットを開けたら理科室の骨格標本が出てきたよ、ぎゃああ!モツが仕掛けたイタズラだったのね。
- 他のメンバーにも色々やったみたい。でも顔や身体に直接落書きをした相手はベトとハッシーだけだから、一応加減は考えているみたい。ベトの半袖の腕!きゃあ(はあと)。Tシャツがダサいけど腕が良いから無問題。
- みんな激おこ。リッ「朝っぱらからこいつは…。」チョ「毎日毎日…。」モツは早起きだね。ベト「ヴォルフ!」ベトは名前しか言わないから、もしかして他のメンバー程は怒っていない?
- シュ「悪の化身め。終焉の時だ!」せっかく難しいこと言っているのに、イタズラされたメガネを掛けている顔が気になって集中できない。そのメガネなら、むしろ裸眼の方がよく見えるのでは?
- モツは随分深い落とし穴を掘ったな。「イタズラの設計図、それは全て僕の頭の中にあるからねー!」天才か。モツー!うしろ!
- いきなり爽やかな朝の光景。みんな装いがクラシカルでまず驚くけど、歌苗「家賃?なんですかそのくだらないシステムは」とか、ショパン「僕は大好きだよ、人が!」とか、シュ「おはおはおはよう!ミラクル、イッツアミラクルモーニング、フォッフォー!」とか、普段は言いそうにない台詞が次々と。別室ではモツがトラに襲われているのもすごい。
- そうか。シューさんの妄想だったのね。モツだけが計画に抗議していて、「ルーくんまで」トラを買うために働こうとか言ってる。モツ孤立無援状態。モツ、ベトだけは常に自分の味方だと信じていたのよねきっと。
- 「反省とは?」のモツをリスト様が首しめよ!それより目が本気な歌苗によるイタズラ禁止令と「約束だからね、破ったらご飯抜き」がキツイ。納得いかないモツ、ふくれ顔。
- 当たり前のように夕食に混ざる奏助。お好み焼き!安上がりだし全員参加できるしで大家族にはありがたいよね。えっと、悟った顔で座禅を組むモツは仏様にでもなったの?「カンチョー、ヒザカックン、落とし穴」は一体誰に対してやったイタズラなのかが気になるよ。
- わいわい準備する皆さんのアドリブ(?)やりとりが面白い。「つまんなすぎて頭おかしくなる!」モツ堪え性が無い。面白くする方法がう○こにおっぱいって、小学低学年男子だよ…。でも誰も傷つけてないからOKでは?みんなもあははって笑えばいいのに、冷めた目で見て何か冷たい。
- 明かりを点けずにオルガンの部屋でモツが話し相手にしたのは「全然知らない」歌苗のおばあさんの写真。孤独で切ないなあ。写真は答えてくれないから、「もうちょっと頑張ってみる」って自己解決。
- 言ってるそばから、お風呂場でシューを押したくなるモツ。押すなよ、絶対に押すなよ!そうか、さっき食堂にいなかったのはピンク色に塗られたハッシーを洗ってあげてたからなのね。
- シューもハッシーも振り返った顔が良い。わかっちゃいたけど、結局押してシューをおぼれさせたモツ。「シュー君のばか!」はシューじゃなくても「は?」だと思うよ。それにしてもシューさん生足がまぶしいです。
- 落ち込むモツを慰めて食事に誘う面々。シュ「皆さん、私の方を心配すべきなのでは?」ごもっとも。今回に関しては、シューがモツをフォローしたくない気持ちはよくわかる。モツは結局出て行っちゃったけど、残された歌苗以外のメンバーが心配してないのがちょっと気になる。
- 翌日から、モツは買い物に誘っても来ないし、行き先も告げずに長時間外出するしで心配になる歌苗。みんなと食堂で相談。シューさん悪い顔しとる。シューはどうしてもモツを犯罪者に仕立て上げたいらしい。
- 朝から出かけるモツ。鼻歌がアイネ・クライネ・ナハトムジークだよ。全員で尾行するの!?あ、リッちゃんの手がベトの肩に!まさかのベトリスの可能性!?まだ出かける前なのに「帰ろう」と言うチョッちゃん。
- こんなに大勢で尾行して、全然隠れていないと思うんですがモツは気にしていないみたい。幼児に変顔しても事案にならない。イケメン無罪。
- バナナの皮(奏助)、ペンキを浴びる(シュー、チョ)。「モツパニック。それは防ぎようのない悪夢」パッド君が悪そうな顔しとる。「クソガキ10人分のたちの悪さ」って嬉しそうにしていたのに、鳥のフン害に遭ったとたん激おこ。口汚く罵る、Eテレ成分なのに(笑)。
- ベト「そんな漫画みたいな話が現実に(橋の足元に穴が空く)」「あったあー!(当然落ちる)」、漫画みたいな展開ありがとうございます。
- それにしても、モツパニックすごい。鉄球の下敷きになってシューさんの命が心配だ。ベトの川流れ(ひどい)。
- みんな抜け殻になっているとき、まさかのシュ歌が。せっかくカッコイイのに、また凧にさらわれちゃった。
- 歌苗はやかんや金だらいが頭に落ちてきても負けない。一人でモツの尾行を続ける。ぎょうな君の中の人はバッハだったりして?みんな思ったよね?モツ、いかにも毒キノコを食べて吐くな(笑)。
- そしてアバンのバスケ少年再び。上手すぎて周りから浮いてしまうのか、いつも一人で練習する小学生だったのね。モツ「僕、彼の姿を見るのが大好きでさ」。歌苗が最近の様子について聞こうとしたのに話しそらしたね、モツ。
- 家路の途中の分かれ道。「17歳の恋人」に会うと別の道を進むモツ。歌苗の「帰ってくるよね?」が切ない。夕日に映えるモツ歌、美しいよ。あ、皆さんご無事で草陰から現れました。シューはやっぱりモツを犯罪者に仕立て上げたいらしい。
- 歌苗は音羽館で自分も夕食をとらずにモツの帰りを待っている。待っている人がいるから、帰ろう?
- 誰もいない夜の丘で、モツが三つ編みを解いてムジーク衣装に変身し、いざ疾風怒濤のムジーク発動。すんごい。ムジーク自体がカッコイイけど、それに負けない動画が映画のような迫力!
- 原曲を作曲した17歳当時の史実モーツァルトとクラシカロイド・モツが一緒に奏でているの?タクトを持つ反対の手でリズムをとっているのがイイ。四の五の言わずにここはもう本編を見ましょう。
- モツ「じゃあ、また」で現実世界に。下界に向かって歩き出すのね。また明日もその次の日も同じ事を繰り返すの?答えは分からぬまま、エンディングに。ムジーク発動前の解説画面のイメージを使ってスタッフロールを表示させる演出がまた良いですね。
♪ムジーク
疾風怒濤 ~交響曲第25番より~
アーティスト:tofubeats(Vocal:中川晃教)
作詞:tofubeats 作曲:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト 編曲:tofubeats
♪ムジーク効果(私見)
ごめんなさい、正直よくわからないです。バッハが気付いたので、天候に影響を及ぼすようですがそれは副産物であり本来の目的とは違うと思われます。あくまでモーツァルトが「17歳の恋人≒自分自身」と向き合うためのムジークで、決して他人には見せないという理解で合っていますか?モツのムジーク口上は「聞け私の音楽を」という意味ですが、これ言わなかったですものね。夜な夜な自己のアイデンティティを確かめないと音羽館へ帰れない?
しかし音楽って言葉に出来ないんですね。御託はいいからムジークと原曲を聴きましょう。以上!
♪今回(第20話)のマイベスト・ベト
シューさんの妄想でのクラシカルな装いがめちゃくちゃ好きなんですが、それは後述するとして。今回は「ベスト」な一枚で!
「ヴォルフのやつ、17歳の恋人ときたか」。
一人だけわかっているのがニクイ!
♪今回(第20話)のベト歌
思いっきりモツ歌の回だし、シュ歌もあったけど、ベト歌は公式なんですよ。
歌「おはようございます、ベートーヴェンさん。」ベ「おはよう歌苗くん。とってもいい朝だね。」
……「歌苗くん」ですってよ!ねえ!
ベ「人は本物の幸せを手に入れたとき、こういった平穏な日常を最も幸福に感じるのかもしれない。」…なんかそれらしく理屈言うのが良い。
歌「なんて素敵な理論なの!」…このキラキラお目々が良い。
シューさんの妄想の世界ですよ。これ、シューさんの目にはベト歌はこういう関係に見えるわけですよね。もう隠しきれないんですよね!?
そして今日もまた、二人は隣に並んでいるというね。
ポストの陰に隠れるときもこの位置なのね。
今回のムジークはムジコレ3の1曲目に収録されています。この第20話放送後に息子からせっつかれて即予約したのはいい思い出です。
※この記事は「アニメ『クラシカロイド』のことを書くブログ(http://nyaon-c.hatenablog.com/)」のブロガー・にゃおん(nyaon_c)が書いたものです。他サイトに全部または一部を転載されているのを見つけたかたは、お手数ですがお知らせ下さいませ。ツイッターID:@nyaon_c