『クラシカロイド』第10話 愛しのジョリー 感想
※2018/06/17 画像を削除しました。なお、この記事を約1年後に見直した「振り返りレビュー」もあわせてお読み下さい。以下のリンクからどうぞ。
前回に続いて今回もシリアス寄りのお話です。ショパンのパートナーとして知られるジョルジュ・サンドを史実ネタとして取り上げています。彼女の名を借りたバーチャルアイドル・ジョリーとクラシカロイド・ショパンの純愛物語。この回、うちの小6息子は見るたびに泣くんですよ。いえね母親の私も泣く(苦笑)。
そして、ジョリーの原型「アルケドール」について。フリーソフトが無料なのは理由があるのよ…。今回は6の倍数の回ではないけれど、アルケドールおよびジョリーの存在は、この後のストーリー展開において重要な要素となってきます。初見のかたは今後の展開をどうぞお楽しみに。
では、本題に入ります。
第10話 愛しのジョリー (2017/06/11 再放送)
あらすじは公式サイトでご確認下さい。
♪感想(レビュー)
この第10話は一話完結でありながら珠玉の恋愛物語だと私は思います(※比較対象はありません)。肉体の有無は関係なく「心」を持つ存在同士が付き合えば、たとえ両思いであったとしても気持ちのすれ違いは当然起きるわけです。だからこそ、お互いの心が通じ合える瞬間が尊いわけで。ただ、意思を持つ人工知能と人間(≒クラシカロイド)はそもそも住む世界が異なるので、仮に邪魔が入らなかったとしても最終的に結ばれることはないのかも?(※あくまで私見です)そう思うと切ない。「でもねいつかはかさなりたいの」は、叶わぬ夢なんじゃないかなって。
それから私、個人的にムジークプロデューサー・EHAMICさんのアレンジが大好きなんです。曲そのものはもちろん良いけど詩がまた奥深いんですよね。「クラシカロイド」を観る前はボーカロイドも当然EHAMICさんのことも存じ上げませんでした。ベートーヴェン好きから入った番組で、思いも寄らぬ素敵な出会いがあったことに感謝します。ショパンのムジークをもっと聴きたい!二期ではチョッちゃんお当番回を増やして下さい。お願いします。
以下は思ったことメモ。
- 冒頭でいきなり「人間なんてもう信じない」と掲示板に書き込むチョッちゃん。でもネットの向こう側にいる人達だって人間ですよ?自戒は込めない。
- お掃除ロボット(ル○バ)を拾ってきたモツ。ベト「なぜ拾う?」のツッコミまでがセット。音羽館メンバーはなんだかんだで仲良しなのね。一致団結してチョッちゃんを部屋まで呼びに行くし。
- ベト「バールのようなもの」でドアを破壊(物理)。家賃払わないくせにボロ館は壊す。色々とひどい。
- 無理矢理引きずられたとはいえ、修理に対応するチョッちゃんエライ。一度目は失敗で「怖い大家」に笑顔で怒られたけど、後から見たときはハッシーが楽しく乗り回していたのできっと完全に直したのね。
- わ、アルケドールの広告バナーが!Download Free って、そのテのものは踏むんじゃない!
- ビジュアルデザインに声、ジョリーを何から何まで自分好みに調教しちゃうチョッちゃん。ディスプレイに向かってケーキあーんしたり添い寝したりって、もうガチすぎてオバサンは知らない世界だわ…。それにしても「恋はジョリジョリ」の歌がカワイイ。
- ショパンは「本当は笑ってくれない」初期段階に失望してムジーク発動し(※この時の曲はもしかして「夜半の月」?)、ジョリーをバージョンアップ。今度は意思を持ったようです。幼いイメージから大人っぽくなったけど、巨乳から貧乳になったのはなぜ?
- パット君経由でジョリー動画を観ていた奏助。せっかくパット君が原曲の解説をしてくれたのに「見えねえよ!」って、パット君拗ねちゃったよー。そういえばパット君もかなり優秀なAIよね?
- ジョリーが自己判断で動画をアップしたりキャラ設定考えたりと、暴走し始めたよ。チョッちゃんもうついていけない。最初はいい感じだった二人の関係が、しだいにぎくしゃくし始めて…むー切ない。ただ、この辺りの描写が容赦ないのは好感が持てます。
- アルケー社で三弦が何か企んでるよ。噛みつくクラクラの二人がカワイイよ。
- ジョリー「住所と顔写真をネットに晒す」それはダメ、ぜったいww 他の脅し方は思いつかないんだろうけど。
- 今度は歌苗除く全員で「悪魔祓い」と称してチョッちゃんの部屋へ。「全身にお経を書く」のはいいとしても火炙りはやめたげて。ベト、バーナーを持ってくんな(笑)。
- 人間なんて信じないはずのチョッちゃんは、それでもジョリーのことを皆に話したのね。「行くよジョリーのところへ」の決意は固いと見たのか、ロイド達は誰も止めなかったよ。一般人の奏助だけが「本当に行くんだ…」って…。
- それにしても「夜半の月」は最高。聴き入っている音羽館メンバーそれぞれの表情がまたイイ。
- ショパンは自分を転送する予定が自分以外全員を伝脳世界の送っちゃった。まだまだムジークを自在にコントロールできないらしい。
- イケメン執事、パット君さんの登場にお茶の間が騒然!伝脳世界だとリアルな人型になるらしい。他の人(奏助とロイド)たちとハッシーはただの線画だったけど。
- ジョリーの回収って、解析するにしてもコピーか参照で十分でしょう?プログラム本体が残らないのは理解に苦しむよ(苦笑)。ウイルス除去するためにいきなり初期化ってどうよ。もしデータ破損があるなら、例えば一日前の状態にリストアするとかやり方は他にもあるよ、もう。無粋でスミマセン。これは作り話なので、パット君の解説に素直に乗っかりましょう。「どっちにしろジョリーは助からない」これが運命。
- ジョリーはショパンの歌が好きだった。みんなに聴いてもらうために頑張ってきた。「あなたの手で終わりにして、ショパン」うわ、涙が…。覚悟を決めたショパンはもう泣いていない。男前。
- ジョリー「ねえ、私の歌好き?」がもう(号泣)。「私のこと」ではなく「歌」と言ったことで、自分の存在が彼の心の重荷にならないようにしたんだよね(※あくまで個人的な解釈です)。ショパン「うん好きだよ」。手が重なって、二人の間には確かに愛があったんだなって。
- 「名前を決めてください」の初期画面が無機質で哀しい。本来はただのプログラム。浮き世に長らえる「命」ではなかったのかな。でもジョリーは間違いなくショパンとともに生きたんだよね。
- チョッちゃんはさっさとジョリー2を作っちゃった。アルケドールの配信は終わっちゃったから、完全に自作?「打たれ強いね!」奏助が視聴者の声を代弁してくれました。
- エンディングのラスト、数字のカウントダウンで最後に0が並ぶのがニクイ演出です。
♪ムジークその1
恋はジョリジョリ ~華麗なる大円舞曲より~
アーティスト:EHAMIC
作詞:EHAMIC 作曲:フレデリック・ショパン 編曲:EHAMIC
♪ムジーク効果(私見)
ショパン作、ジョリーが操るムジーク。歌で伝脳世界を一面のお花畑に変化させる。「バーチャルクラシカロイド」だからこその能力のようです。
♪ムジークその2
夜半の月 ~幻想即興曲より~
アーティスト:EHAMIC
作詞:EHAMIC 作曲:フレデリック・ショパン 編曲:EHAMIC
♪ムジーク効果(私見)
うーん。よくわかりません(苦笑)。とにかく「行ったり来たり」させる力なのかな?現実⇔伝脳世界、単なるアプリ⇔バーチャルクラシカロイド。
♪今回(第10話)のマイベスト・ベト
今回は画像というよりは台詞から。
「そのような女と手が切れて幸運だったと思うべきだ。」
いかにも彼らしい台詞だなと思いました。前世ベートーヴェンの恋愛事情を鑑みるとなおさら。
「帰れないならそれでいい。俺がいる場所が俺の世界だ。」
うん、カッコイイ。「さすがです先輩!」シューさんが言ってくれました。
♪今回(第10話)のベト歌
「小娘、おまえが命を得たのはショパンの力だろう。創造主への親愛の情すらないと言うのか?」
この台詞、すなわちベトには「創造主への親愛の情はある」!創造主・響吾に対してそう思っている→創造主の娘である歌苗を確実に大事にする。そういうことですよ。愛だわー!
それにしても「小娘」って歌苗ちゃんに対してだけじゃないのね。何というか、素直に名前を呼べない感じ?このあたりの男性心理は私にはわからないんですが、微妙な距離感ですよね。ところでベトが「歌苗」呼びするのはいつになりますか?私、待ってる。
- アーティスト: V.A.,ショパン,スロヴァキア国立コシツェ・フィルハーモニー管弦楽団,イディル・ビレット,マリア・クリーゲル
- 出版社/メーカー: Naxos
- 発売日: 2010/05/12
- メディア: CD
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#真夜中のクラシカロイド 放送中に、ツイッターでNAXOS JAPANの中の人が宣伝していました。絵は『運命と呼ばないで』のIKEさんですね。メディアがUSBメモリなのが現代的というかチョッちゃんらしい。
※この記事は「アニメ『クラシカロイド』のことを書くブログ(http://nyaon-c.hatenablog.com/)」のブロガー・にゃおん(nyaon_c)が書いたものです。他サイトに全部または一部を転載されているのを見つけたかたは、お手数ですがお知らせ下さいませ。ツイッターID:@nyaon_c